一昔前の振袖

学生の頃から琴を演奏していたので、振袖は何枚か持っていました。

振袖って良いですよね。
確かに普通の着物よりも、重いし、髪の毛もきちんと結わないといけません。
未婚の女性の正装ということで、小物も格式の上の物を使わなくてはいけないので、制約も多く色々と大変です。
でも、何と言っても華やか。
どんなパーティや結婚式に呼ばれても、振袖なら気後れすることなく済むので、便利です。

オレンジの総しぼり、紫の中振袖、刺繍の物と数枚持っていましたが、一番のお気に入りは祖母から譲ってもらった「赤い友禅の振袖」です。
一昔前の振袖って、実は今の振袖よりも華やかなんで、不思議ですね。
今の振袖は左肩・胸には沢山模様が入っているのに、右肩・胸はほとんど何も無く、地模様だけ、地味なんです。

お琴を演奏する時、舞台で左を向いて座ると、客席から見える着物の模様は殆ど無いので、せっかく振袖を着ていても、何だかわかりません。
すそ模様は立派でも正座をしていれば、それも見えませんから、客席からは無地の地味な着物を着ている感じだと、良く親に言われました。

でも祖母の振袖は全体にきちんと模様があるので、舞台でどの向きに座っても大丈夫。
とっても舞台映えのする着物です。

以前、女優の松たか子さんがお婆様からいただいた振袖を着ていらした事がありました。
上品な松の模様でしたが、これも右左関係なく全体に模様があります。
それから気にして皆さんの振袖を見ると、昔の振袖は両肩・胸に模様がありますね。

どうして今の形になったのかは分かりませんが、私は昔の振袖が大好きです。